年齢別の妊娠率
2016/08/08
妊活をしているとついつい気になるのが妊娠率ですよね。
そんな気になる確率を日本産婦人科学会や病院などのデータを基に、タイミング法、人工授精、体外受精など年齢別の妊娠率を調べてみました。
タイミング法の年齢別の妊娠率
タイミング法による妊娠率は、以下の通りです。
女性の年齢 | 妊娠率 |
35歳未満 | 4~5% |
35~40歳 | 2~4% |
40~44歳 | 0.25~2% |
45歳以上 | 0.12~0.25% |
どの年齢でも自然妊娠の妊娠率を下回っていますが、これはタイミング法を受ける方が自然妊娠をしなかった方の場合が多いため、妊孕力(にんようりょく)つまり妊娠する力が弱いためと思われます。
人工授精の年齢別の妊娠率
人工授精の妊娠率は以下の通りです。
女性の年齢 | 妊娠率 |
35歳未満 | 8~9% |
35~40歳 | 4~8% |
40~44歳 | 0.5~4% |
45歳以上 | 0.25~0.5% |
人工授精による妊娠率はタイミング法による妊娠率のおおよそ2倍となっています。
体外受精の年齢別の妊娠率
体外受精全体における年齢別の妊娠率は以下の通りです。
女性の年齢 | 妊娠率 |
35歳未満 | 30~35% |
35~40歳 | 15~30% |
40~44歳 | 2~15% |
45歳以上 | 1~2% |
体外受精による妊娠率は、人工授精の妊娠率と比べると約4倍となります。
体外受精では30代前半までは35%ほどの妊娠率ですが、30代後半になると急激に低下し始め40歳を迎えるころには30代前半の妊娠率のおおよそ半分となります。
なお、この数値は喫煙することによりもっと下がりますので、喫煙者の方は禁煙した方がよいでしょう。
AMH(アンチミュラー管ホルモン)による妊娠率
AMHの値による妊娠率は以下の通りです。
AMHの値 | 妊娠率 |
4.0ng/mL以上 | 30~35% |
2.0~3.9ng/mL | 15~30% |
1.0~1.9 ng/mL | 2~15% |
1.0 ng/mL未満 | 1~2% |
AMHが2.0ng/mLを下回ると妊娠率の低下が認められます。年齢によらず低AMHの場合は治療のステップアップを急いだほうが良いでしょう。
卵胞刺激周期における卵子の成熟割合
卵胞刺激周期において採卵できた卵子の成熟度合の割合は以下の通りです。
成熟度 | 確率 |
未熟卵(GV期及びMI減数分裂中期) | 約2割 |
成熟卵(MII減滅分裂中期) | 約7割 |
変性卵(死んだ卵) | 約1割 |
変性卵は受精しません。また未熟卵も基本的には受精しません。成熟卵のみが受精する可能性があります。
体外受精での受精・分割胚・胚盤胞の確率
体外受精で採卵された成熟卵と精子が出会い受精が行われ、分割胚を経て胚盤胞になるまでの確率は以下の通りです。
段階 | 確率 |
受精 | 50~80% |
分割胚(良好分割胚) | 50~80% |
胚盤胞 | 50% |
上記の確率から、成熟卵が受精し、分割胚を経て最終的に胚盤胞になるまでの最終的な確率は12.5~32%です。
管理人の経験上、この項目については非常に個人差が大きいです。人によっては8割程度が胚盤胞になる人もいれば10個成熟卵が採れても1つも胚盤胞にまで到達しない場合もあります。
卵子だけでなく精子の質だけでなく、培養液との相性にもよって結果が大幅に変わってきます。
新鮮胚移植の妊娠率・凍結融解胚移植の妊娠率(全体)
新鮮胚移植と凍結融解胚移植の移植法の違いによる全体の妊娠率は、新鮮胚妊娠率21.9%に対して、凍結胚妊娠率 33.7%です。
新鮮胚移植の妊娠率・凍結融解胚移植の妊娠率(年齢別)
続いても体外受精の移植法の違いによる妊娠率です。
新鮮胚移植と凍結融解胚移植の年齢別妊娠率をご覧ください。
女性の年齢 | 妊娠率(凍結融解胚) | 妊娠率(新鮮胚) |
30歳 | 40% | 29% |
31歳 | 43% | 32% |
32歳 | 40% | 33% |
33歳 | 39% | 29% |
34歳 | 36% | 30% |
35歳 | 36% | 29% |
36歳 | 35% | 26% |
37歳 | 34% | 25% |
38歳 | 32% | 20% |
39歳 | 30% | 19% |
40歳 | 28% | 18% |
41歳 | 24% | 13% |
42歳 | 22% | 10% |
43歳 | 20% | 9% |
44歳 | 14% | 5% |
45歳 | 10% | 3% |
どの年齢でも新鮮胚移植よりも凍結融解胚移植の方が妊娠率は10%ほどが高いことがわかります。
体外受精(ふりかけ法)と顕微授精の受精率
体外受精のいわゆる『ふりかけ法(cIVF)』においての受精率は50~80%です。
受精障害が無い場合の受精率は顕微授精とほぼ同じですが、受精障害があると受精率が低いまたは1つも受精しない場合があります。また、多精子受精による異常受精の確率がやや上昇します。
一方、『顕微微授精(ICSI)』においての受精率50~80%です。
凍結融解胚の生存率
凍結融解胚の融解時の生存率は97~99%です。
この数値は病院の培養士の技術などによって大きく異なってきますので注意してください。
子宮外妊娠率
自然妊娠における子宮外妊娠率は約1%です。
一方の体外受精における子宮外妊娠率は約2%です。
卵管通水検査と卵管造影検査の正しい診断率
卵管通水検査で正しい診断がつく確率は30%です。
一方、卵管造影検査では90%です。
タイミング法や人工授精の場合は卵管通水検査を行った後は卵管が通るために妊娠率が上がると言われていますが、実際の検査制度は30%と低いようです。
このことから、どちらかの検査を行う場合は卵管造影検査を行う方がベターと言えるでしょう。
ワンポイントアドバイス!
タイミング法や人工授精は以外にも妊娠率が低いのが現状です。体外受精でも良くて3割程度の妊娠率。医療はあくまでも妊娠の手助けです。どのような治療でも、妊娠する力はご夫婦次第というところがあるのは事実です。主役は自分たちなんだという事を念頭に置いて治療を受けましょう。
また、皆さんご存知の通り、加齢は不妊因子の一つです。年齢を戻すことはできません。「不妊かな?」と思ったら1日でも早い治療開始をお勧めします。もしあなたの治療が長引いたとしてもある意味不妊治療の妊娠率を考えれば仕方のない事です。不妊治療には費用も時間もかかり、思い詰めてしまう部分もありますが、息抜きをしながら根気よく治療を続けてみてはいかがでしょうか。
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