精液検査とは?精子の質を上げるには?
2016/08/17
精液検査とは
精液検査とは精液の量や精子の数、運動性、奇形率などを調べる検査です。自宅又は病院内のメンズルームにてマスターベーションで精液を採取し、顕微鏡で調べます。通常は、2~7日禁欲した後に行います。
精液中に精子が無い状態が無精子症、精子濃度1mL中に1500万個未満が乏精子症と診断されます。
精液検査は郵送でもできる?
精液検査が郵送でもできるというようなサイトがありますが、実際はできません。精液は採取してから3~4時間以内に病院の検査室に持ち込んで検査する必要があります。
採取して郵送していたら時間が経ち雑菌が繁殖してしまって正しい検査は出来ません。また、冷凍して郵送したとしても精子は温度変化に非常に弱いため死滅してしまうため郵送での精子検査は意味がありません。
精子検査の正常値・基準値
正常とされる精子検査の基準をご紹介します。2010年にWHOが定めた基準です。
精液量 : 1.5mL以上
精子濃度 : 1500万個/mL以上
精子運動率 : 40%以上(内、8割が前進運動精子)
正常形態精子 : 4%以上(=奇形率96%未満)
精液中白血球 : 100万個/mL未満
精子生存率 : 58%以上
総精子数 : 3900万個以上
色調 : 乳白色
奇形精子とは
奇形精子とは、前進・直進をせず、同じところをクルクル回ったり、全く動かない精子のことです。
大きく分けると6種類ほどの形態があります。
・頭が大きい
・頭が小さい
・頭が2つある
・尾が2本
・形がへん
・頸部が曲がっている
ストレスの多い社会環境や環境ホルモンなどの汚染物質により、この50年で奇形精子が増えただけでなく、精子の数は半分近くに減少し、運動率も著しく低下したと言われています。
男性不妊の病態男性不妊の種類は大きく分けて6つの病態があります。
乏精子症 : 精子濃度が低く、受精率の低下が見受けられます。
精子無力症 : 運動精子率が低く、受精率の低下が見受けられます。
精子不動症 : 精子の運動率が0%の場合で、自力での受精が出来ません。
精子奇形症 : 奇形精子率が高く、受精率の低下が見受けられます。
膿精液症 : 白血球が多く、受精率の低下が見受けられます。
無精子症 : 精液中に精子がいないため、子どもを望む場合は手術が必要です。
精液検査の結果をよくする方法
精液検査で良い結果を得る、つまり精子の質を上げるにはどうしたらよいのでしょうか。
精子は毎日約1000万個生産されます。新しい精子を作るためには精巣にスペースが必要で、スペースがいっぱいになると行き場を無くした精子の一部は尿として排出されます。精巣にスペースを作るには射精することが必要です。また、古い精子は活性酸素を増やす精子や精巣の細胞にダメージを与えます。
そのため、射精すればするほど精子の状態は良くなります。日本の検査前の禁欲期間は2~7日とされていますが、欧米では毎日射精するように指導されているそうです。精子は毎日生産されていますので、毎日射精をしてもさほど薄くなる心配はありませんので、精液量は減ってしまう可能性はありますが、禁欲期間は2~3日で充分だと考えられます。
活性酸素は精子によくありませんので、出来るだけ活性酸素を作らないように適度な運動、ストレスを溜めないように注意しましょう。活性酸素を防ぐと言われているサプリメント(ビタミンC,E、葉酸、リコピン、亜鉛)などもありますので気になる方は積極的に摂取してみるのも良いかも知れません。
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